奈良教育大学附属幼保連携型認定こども園は、令和6年4月に、国立大学附属として初めて幼保連携型認定こども園へ移行した園です。「毎日のお弁当づくりがない」「夕方6時30分まで預かってくれる」など、共働き家庭にとって国立のなかでも通わせやすい環境がそろっています。
一方で、こども園に移行したことで認定区分や費用の仕組みが少し複雑になりました。「入園料はいくら」「選考は抽選なのか面接なのか」「附属小学校へ進めるのか」調べても情報が公式サイトの何ページにも分かれていて、全体像がつかみにくいところです。

私も子どもの受験を経験しました。国立の受験は情報集めがいちばんの山場でしたが、園の仕組みさえ整理できれば、家庭でできる準備は思ったよりシンプルでした。
国立こども園ははじめてでも、ポイントを一つずつ押さえれば全体像はつかめます。学費や選考、通園エリア、附属小への進学まで、公式情報にそって順に見ていきます。
この記事でわかること
- ✓実質月1万円ですむ学費と、認定区分ごとの費用のちがい
- ✓抽選と面接だけでペーパーがない選考の流れと家庭でできる対策
- ✓通園エリア・附属小への進学・全国初の国立こども園の仕組み
学費は実質月1万円 保育料無償化で共働きが続けやすいこども園
奈良教育大学附属こども園は、3歳からの保育料が無償で、毎月の実費は約1万円におさまります。
まず入園時にかかるのは検定料の1,600円です。願書受付時に700円、面接時に900円を納める2段階になっています。入園料は名目で31,200円が設定されていますが、1号認定と2号認定の子どもは無償化の対象で、3歳児から年度初めに入園する場合は実質の負担がありません。満3歳児の途中入園などでは、一部の自己負担が出ることもあります。
保育料も3歳からは無償化されます。国立大学附属の認定こども園では、1号認定は月額8,700円を上限に給付を受けられる区分で、保育料はこの枠内におさまるため、毎月の保育料負担は0円です。
無償化の対象にならないのは、給食費や教材費などの実費です。1号認定の場合、おおよその内訳は次のとおりです。
| 費用項目 | 金額の目安 | 無償化 |
|---|---|---|
| 検定料 | 1,600円(入園時のみ) | 対象外 |
| 入園料 | 名目31,200円 | 1号2号は無償化で実質0円 |
| 保育料 | 3歳から無償 | 対象 |
| 給食費 | 月8,000円 | 対象外 |
| 教材費 | 月1,500円 | 対象外 |
| 育友会費 | 月500円 | 対象外 |
毎月の実費は給食費と教材費、育友会費を合わせて約1万円が目安です。0歳から2歳の3号認定は無償化の対象外で、保育料は世帯の所得に応じて決まります(市民税非課税世帯は無償化)。
このこども園の大きな魅力が、毎日の給食「なかよしランチ」です。園内の調理室でクックチル方式で作られ、温かい昼食が毎日提供されます。国立幼稚園でネックになりがちな毎朝のお弁当づくりが要らないのは、働く家庭にとって助かる仕組みです。

お弁当が基本の園だと、寝坊した朝は本当に泣きそうになります。毎日給食のこども園に通わせて、そのありがたさが初めて身にしみました。
選考は抽選と面接 ペーパーテストのない国立こども園
奈良教育大学附属こども園の選考は、応募が定員を超えたときの抽選と、その後の面接、健康診断で構成されます。いわゆるペーパーテストはありません。
公式の募集要項によると、流れはこうです。入園希望者が募集定員を超えた場合、まず抽選で入園候補者を決めます。候補者には面接があり、あわせて園が指定する病院で健康診断を受けて証明書を提出します。出願資格を満たしていない場合や、面接と健康診断を受けない場合は合格証が交付されません。
奈良教育大附属こども園 選考の流れ
出願
願書を提出
抽選
定員を超えた場合
面接
子どもと保護者
健康診断
園指定の病院で受診
合格証の交付
入園手続きへ
選考の時期は認定区分や年度で変わります。1号認定の3歳児は例年夏から初秋に選考があり、2号・3号は募集ごとに時期が違います(令和8年度の0歳児は7月に選考がありました)。令和9年度の1号認定は、満3歳児・3歳児とも2026年9月の時点で募集が終わっていて、3歳児の2次募集はあらためて案内されることになっています。
面接は子どもと保護者のどちらにも行われます。子どものことがよくわかる保護者であれば、一人での参加でもかまわないとされています。むずかしい知識を問うものではなく、家庭でどう過ごしているか、子どもの育ちをどう見ているかを見る場です。
倍率は公開されていません。定員を超えたときだけ抽選になるため、まずは見学や説明会で園の様子を知り、面接で落ち着いて話せるように家庭で準備を整えておきましょう。
なお、こども園に移行する前の「発達検査」や「知能検査」といった情報が古い記事に残っていますが、現在の公式要項に記載があるのは抽選と面接、健康診断です。古い情報に惑わされず、園が公表している選考の流れを土台に準備を進めてください。
面接対策は自宅でできる 家庭学習で育てる受け答えの力
抽選そのものは対策できませんが、面接で見られる生活習慣や受け答えの力は、家庭での積み重ねで育てられます。
国立こども園の面接は、特別な受験テクニックを問うものではありません。あいさつができるか、質問に自分の言葉で答えられるか、身のまわりのことを自分でやろうとするか。そんな暮らしのなかの力を見ています。わが家も、毎日の暮らしのなかで少しずつ習慣づけていきました。

受験の前は、面接でうちの子がちゃんと答えられるのか不安で、高い教室に通わせるべきか何度も迷いました。まずは、朝の支度やお店でのあいさつを一つずつ習慣にしました。面接は、毎日の積み重ねがそのまま出る場なのだと思います。
その土台づくりに幼児教室を使う家庭もあります。ただ、教室に通うとなると送り迎えの時間や月謝がかかり、下の子がいると通い続けること自体が負担になります。共働きだと平日の決まった時間に通うのはなかなかむずかしいものです。
幼児教室のデメリット
- ×平日の送り迎えに時間がかかる
- ×月謝の負担が大きい
- ×下の子がいると通い続けにくい
通信教育のメリット
- ✓自宅で子どものペースで進められる
- ✓生活習慣づくりを遊びながら学べる
- ✓月々の費用をおさえやすい
自宅での受験準備の第一歩として、こどもちゃれんじも選択肢に入ります。年齢別に設計されたエデュトイが毎月届き、遊びながら生活習慣を身につけられる点は他の通信教育にはない強みです。
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奈良で通える幼児教室 親子で学べる教室から始める
奈良市周辺には、幼児期の学びを親子でサポートしてくれる教室があります。まず候補になるのがベビーパークのならファミリー教室です。
近鉄大和西大寺駅から徒歩約5分のならファミリー内にあり、0歳から3歳を対象にした親子教室です。叱らない育児や、子どもの好奇心を伸ばす関わり方を親も一緒に学べるのが特徴で、日々の生活習慣づくりに役立ちます。3歳からは知育に力を入れたキッズアカデミーも併設されています。
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教室を選ぶときは、家庭での関わり方まで学べるかどうかを基準にすると選びやすくなります。教室に通う場合も、家庭学習と組み合わせると子どもの受け答えがより安定します。
通園エリアは奈良市と隣接市町村 車と自転車は許可制
奈良教育大学附属こども園に通えるのは、奈良市および奈良市に隣接する市町村に、保護者とともに住んでいる子どもです。
公式の出願資格では、通園区域を「奈良市および奈良市に隣接する市町村」と定めています。生駒市や大和郡山市、天理市などが隣接する自治体にあたりますが、対象になるかは住所によって細かく変わるため、検討している市町村が含まれるかは園に直接確認してください。この通園区域は、後で述べる附属小学校の校区とは別のものです。
通園は徒歩か公共交通機関が原則で、登降園には保護者の付き添いが必要です。園による送迎はありません。
ただし、就労している、交通の便が悪い、急用があるといった事情がある場合は、園の許可を受けたうえで自転車や自動車での通園が認められます。国立園では車通園を一律に禁じるところもあるなか、事情に応じて柔軟に対応してくれるのはうれしいポイントです。なお、園の許可なく車で通ったり、園の近くで乗り降りしたりすることは禁止されています。
附属小学校への進学 校区と定員縮小に注意
奈良教育大学附属こども園から附属小学校への進学(いわゆる内部進学)を考えるなら、校区の条件と附属小の定員縮小に気をつけてください。
こども園に通えば自動的に附属小へ進めるわけではありません。進学の可否や条件は、園と附属小学校への確認が必要です。とくに注意したいのは、附属小学校の校区がこども園の通園区域とは異なる点です。募集要項にも「附属小学校の校区とは異なります」と明記されているため、こども園に通えても附属小の校区外にあたる場合があります。
さらに、附属小学校では入学定員の見直しが進んでいます。奈良教育大学附属小学校は、入学定員を90名から60名へ、学級数を3学級から2学級へ減らすことを公表しており、令和8年度入学から年次進行で実施されます。附属小への進学を考えるなら、その時点の募集条件を附属小学校の公式情報で確かめておきましょう。
全国初の国立こども園とは 1号 2号 3号の違い
奈良教育大学附属こども園は、令和6年4月に国立大学附属として初めて幼保連携型認定こども園へ移行しました。共働き家庭も入園でき、令和8年10月からは0歳児も受け入れる新しいかたちの国立園です。
認定こども園になったことで、子どもは3つの認定区分に分かれて通います。教育を中心とする1号認定は、旧来の幼稚園にあたる区分で、受験を考える家庭の主な対象です。3歳から5歳で保育を必要とする家庭は2号認定、0歳から2歳で保育を必要とする家庭は3号認定になります。区分によって募集の時期や費用、保育時間が変わるのが、こども園ならではのポイントです。
共働き家庭にとって心強いのが、預かり保育「なかよしタイム」です。朝は7時30分から9時まで、午後は保育の終了後から18時30分まで預かってくれます。長期休業中も土曜を除いて実施されるため、仕事を続けながらでも通わせやすい環境です。
0歳児の受け入れも令和8年10月からで、より早い時期から国立園に子どもを預けられるようになります。令和8年度の0歳児の募集はすでに終わっていて、令和9年度の0歳児は募集が予定されています。認定区分は家庭の就労状況によって決まり、状況が変われば区分の変更が必要になる場合もあります。入園前に、自分の家庭がどの区分にあたるかを園に確認しておきましょう。
園見学とすくすくクラブ 入園前に園の雰囲気を確かめる
入園を考えたら、まずは未就園児向けのプログラムや園見学で園の雰囲気を体験してみましょう。
奈良教育大学附属こども園には、未就園の親子が参加できる「すくすくクラブ」があります。0歳の「すくすくベビー」、1歳の「めばえ」、2歳の「わかば」といった年齢別のクラスがあります。子育て交流の場や、これから出産をむかえる家庭向けの催しもそろっています。園の先生や在園児とふれあえるので、入園後の生活を具体的にイメージできます。
未就園児のための園庭開放「なっきょんひろば」もあり、園庭で自由に遊べます。こうした催しの曜日や時間は、季節や年度によって変わります。園舎の工事や暑さで一時的にお休みになった時期もありました。出かける前に一本電話を入れて、開催日を確かめておくと確実です。園見学も電話で受け付けているので、まずは問い合わせから始めてみてください。
受験が終わったら何をする?入園前から通える「はまキッズ」
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選考が終わってから4月の入園までは、受験に向けて整えた生活のリズムを崩さずに過ごす時期です。
早寝早起きや、着替えと片づけなどの身の回りの支度は、入園後の園生活に直結します。
家での声かけや、親子で向き合う時間も、入園までの数か月こそ大切にしたいところ。
声かけの仕方を親が学べる教室を探すなら、浜学園グループの幼児教室、はまキッズオルパスクラブも選択肢に入ります。
授業は、保護者が同じ部屋で見守るスタイル。
4月に年少で入園する子も、11月から1月なら能力判定テストを受けられ、2月から通い始められます。
少人数制のクラスなので、席は校舎の空きしだいです。
奈良県の教室は、近鉄大和西大寺駅から歩いて1分の西大寺校です。
編集部のライターのひとりは、年少の秋から小学2年の終わりまでの約4年半、兵庫の西宮校に子どもを通わせました。
通い始めたのは幼稚園に入ってからで、受験のためではなく、考える力を育てるためでした。
授業に同席するうちに、家でどんな声をかければ子どもの考えが深まるかを、親も学べたといいます。
立体パズルなどの教具で、詰め込みではなく楽しみながら図形や数の感覚が身についたのも、よかった点です。
一方で、費用の負担はかなり重かったそうです。
当時は、月謝と維持管理費だけで月3万8,000〜4万円ほど。
学材費や講習代を入れると、5万円近くになる月もありました。
毎週の同席に加えて、家でのプリントや教具の復習を親が見る手間も大きかったそうです。
費用や手間をかけたくない家庭は、無理に通わなくてかまいません。
早寝早起きと身の回りの支度、家での声かけを続けるだけで、入園までの準備は十分です。
通うかどうかは、無料の説明会で今の料金を聞き、同じく無料の能力判定テストで子どもに合うかを見てから決めてください。
テストを受けても、入会の義務はありません。
よくある質問
Q 通園できるのはどの範囲ですか。
A 奈良市および奈良市に隣接する市町村に、保護者とともに住んでいることが条件です。生駒市や大和郡山市、天理市などが該当しますが、住所によって細かく変わるため園にご確認ください。附属小学校の校区とは別の区域です。
Q 倍率はどのくらいですか。
A 倍率は公開されていません。年度によって応募状況は変わります。定員を超えた場合は抽選で入園候補者を決める仕組みです。
Q 附属小学校へ進学できますか。
A こども園に通えば自動で附属小へ進めるわけではなく、進学の可否や条件は園と附属小への確認が必要です。附属小学校の校区がこども園の通園区域と異なる点や、令和8年度入学から入学定員を90名から60名へ段階的に減らす点にも注意しましょう。
Q 毎月かかる費用はいくらですか。
A 1号認定の場合、給食費8,000円と教材費1,500円、育友会費500円で、月におよそ1万円が目安です。3歳からの保育料は無償化されます。
Q 共働きでも通わせられますか。
A 通わせられます。保育を必要とする家庭は2号認定で入園でき、預かり保育「なかよしタイム」も朝7時30分から夕方6時30分まで利用できます。認定区分は就労状況で決まります。
Q 給食はありますか。
A 毎日「なかよしランチ」があります。園内の調理室でクックチル方式で作られる給食で、お弁当づくりの負担がありません。
Q 入園前に園の様子を知る方法はありますか。
A 未就園児向けの「すくすくクラブ」や園庭開放「なっきょんひろば」、電話での園見学があります。曜日や時間は時期によって変わるので、参加前に園へ問い合わせてみてください。
過去問を書籍で入手する
附属幼稚園の過去問セットも市販されています。内容は一般的な出題パターンが中心で、価格はやや高めです。
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まとめ 奈良教育大附属こども園の受験で大切なこと
奈良教育大学附属幼保連携型認定こども園は、令和6年に国立大学附属として初めて幼保連携型認定こども園へ移行した園です。3歳からの保育料は無償化され、毎月の実費は約1万円、毎日の給食と18時30分までの預かり保育で、共働き家庭も通わせやすい環境がそろっています。
選考は抽選と面接、健康診断が中心で、ペーパーテストはありません。抽選は運によるところがありますが、面接で見られる生活習慣や受け答えの力は、家庭学習でしっかり育てられます。送り迎えの負担なく続けられる通信教育を上手に取り入れて、無理のない準備を進めてください。
- 1学費は実質月1万円。3歳から保育料が無償で、毎日の給食と18時30分までの預かりで共働きも通いやすい。
- 2選考は抽選と面接でペーパーなし。面接で見られる力は家庭学習で育てられる。
- 3通園エリアと附属小への進学は要確認。校区や認定区分など、こども園ならではのポイントを押さえる。
日程や費用は年度によって変わるので、最新の募集要項と公式サイトをあわせて見ながら、わが家に合った受験計画を立てていきましょう。




