「通園できる区域に住んでいるかな」「共働きでも通えるの」「まず何から準備すればいい」。長崎大学教育学部附属幼稚園を検討しはじめたご家庭が、最初にぶつかる疑問です。
結論から言うと、令和9年度入園の選考は11月10日・11日のいずれか指定された1日で、内容は発達検査と保護者同伴の面接です。そして他の学校を併願しなければ、附属小学校へは原則そのまま進学できます。
情報が古いままのサイトも多く、選考時期を「12月」と書いた記事も残っています。このページでは令和9年度(2027年4月入園)の公式募集要項をもとに、日程・費用・通園区域・内部進学をまとめています。
二人の子の附属幼稚園受験を、幼児教室に通わせず家庭学習だけで経験したまほです。同じ立場だったので、気になるところはよく分かります。
この記事でわかること
- ✓令和9年度の選考日程と、発達検査・面接で見られること
- ✓入園料・保育料と、無償化でどこまで負担が消えるか
- ✓附属小学校への連絡進学のしくみと注意点
- ✓通園できる区域(長与町・時津町も対象)と送迎のルール
- ✓共働き家庭が気になる預かり保育と、家庭での準備のしかた
長い伝統と園の魅力、そして学費
長崎大学教育学部附属幼稚園は、明治19年(1886年)に創立した、県内でも屈指の歴史をもつ国立幼稚園です。長崎市文教町にあり、同じ敷地圏に附属小学校・中学校がそろっています。
掲げている教育目標は「したい 知りたい やってみよう」がいっぱいの幼稚園、そして互いを思い合える優しさいっぱいの幼稚園。子どもが自分から遊びに向かい、その遊びが深く広がっていくよう、先生が環境を整えて援助する保育を大切にしています。ペーパー中心の詰め込みではなく、主体的な遊びを軸にした園だと考えておくと、選考の準備も的を外しません。
基本情報をまず押さえる
園の基本データを一覧にしました。日程や費用は年度で改定されるため、出願前に最新の募集要項でも確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 長崎大学教育学部附属幼稚園 |
| 所在地 | 長崎県長崎市文教町4番23号 |
| 募集人員(令和9年度) | 3年保育児 32名/4歳児 追加18名 |
| 選考日(令和9年度) | 令和8年11月10日・11日のいずれか指定日 |
| 選考方法 | 発達検査+面接(保護者同伴) |
| 通園手段 | 保護者の送迎。自家用車での送迎・園周辺の停車は不可 |
学費は無償化で実質どこまで消えるか
学費は、入園料31,200円と保育料が年額73,200円です。国立でも私立と同じく、幼児教育・保育の無償化の対象です。
ここで多くの方が誤解しがちなのが無償化の範囲です。保育料だけでなく、入園料も無償化の対象です。入園料は入園した初年度に月割りして毎月の保育料に合算し、月額8,700円を上限に給付されます。長崎大附属の場合、入園料31,200円を12か月で割ると月2,600円、保育料の月6,100円と合わせて月8,700円ちょうど。上限にぴったり収まり、入園料まで含めて実質的に無償と考えて差し支えありません。
| 費目 | 金額 | 無償化 |
|---|---|---|
| 入園料 | 31,200円 | 対象 |
| 保育料 | 年額73,200円 | 対象 |
| 検定料 | 1,600円 | 対象外 |
| 育友会費・後援会費・絵本代など | 実費(金額非公開) | 対象外 |
検定料や育友会費などの実費は別途かかりますが、毎月の教育費そのものは大きく抑えられます。
附属小へつながる連絡進学のしくみ
長崎大附属を選ぶ大きな魅力が、附属小学校への連絡進学です。他の学校を併願しなければ、附属幼稚園から附属小学校へ原則として全員が進学できます。
注意したいのは、この連絡進学の根拠が「附属小学校の児童募集要項」には書かれていない点です。実際の根拠は長崎大学教育学部附属学校の入学者選考規程にあり、そこに附属幼稚園からの進学者は原則全員入学させると明記されています。募集要項だけを見て「内部進学はないのかも」と早合点しないでください。併願すると連絡進学の枠から外れる点も、あわせて覚えておいてください。
連絡進学のしくみ
なお附属小学校から附属中学校への進学は、全員が自動で上がれるわけではなく選考があるとされます。小学校から先の進学条件は年度で変わる可能性があるため、進学時期が近づいたら附属中学校の募集要項でも確認しておきましょう。
倍率と選考の実態。発達検査と面接で見られること
倍率は公式に公表されていません。ただ、判断材料になる事実があります。令和8年度の入園では、通常募集のあとに2次募集が行われました。
国立幼稚園で2次募集がかかるのは、1次で定員が埋まりきらなかったことを示します。全園児78名ほどの小規模な園でもあり、「国立だから狭き門」というイメージほど、年によっては競争が激しくない可能性があります。数字は年度で動くため断定はできませんが、諦めていたご家庭も、まず情報を集める価値はあります。
選考は11月。発達検査と保護者同伴面接
選考日は年度で前後します。例年は10月に出願、11月に選考というスケジュールです。令和9年度入園の日程は次のとおりです。
令和9年度入園 選考スケジュール
説明会・願書配付
10月2日に説明会(受検希望者の保護者は原則出席。欠席時は動画視聴が案内されます)、願書配付は10月2日〜15日。
願書受付
10月7日〜15日に出願を受け付け。
選考(発達検査+保護者同伴面接)
11月10日・11日のうち、園が指定した1日。
合格発表
11月26日に発送(郵送)。
選考は発達検査と、保護者が同伴する面接で構成されます。付き添いは2名まで、きょうだいの同伴はできません。試験の具体的な内容は公表されていないため、「これが出る」と断定するサイトの情報はうのみにしないでください。
地元で附属幼稚園の受験に対応する教室の解説を見ると、見られているのは特別な知識ではないようです。人の話をよく聞けるか、初めての場所で親から離れて一人で遊べるか。そうした基本的な力が土台とされています。とくに母子分離ができるかは、この年齢の選考で共通する観点です。
家庭でできる前向きな準備
対策と聞くと身構えてしまいますが、やることはむずかしくありません。日々の暮らしの中で、次のような関わりを意識するだけで土台が育ちます。
- ✓名前を呼ばれたら顔を見て返事をする習慣をつける
- ✓公園や支援センターで、親と少し離れて遊ぶ経験を重ねる
- ✓「どっちが好き」など、自分で選んで言葉にする会話を増やす
長女の選考当日、控室で手が離れた瞬間は、家庭学習だけで本当によかったのかと不安でいっぱいでした。でも戻ってきた娘は「楽しかった」の一言。見られていたのは知識ではなく、遊びに向かう姿勢と普段の親子の関わりだと実感しました。それからは特別な対策より、毎日の生活と会話を軸に据えました。
合格に近づく家庭学習と幼児教室の選び方
準備の進め方は、大きく分けて幼児教室に通う方法と、家庭学習を軸にする方法があります。長崎市内には附属の受験に強い教室もあるので、まず知っておくとよいでしょう。
長崎で附属幼稚園の受験に明確に対応しているのは羅針塾(長崎市江戸町)です。国語力を重視し、附属幼稚園の合格実績を掲げています。ほかにスーパーキッズや花丘塾も地元で名の知れた教室です。ただ、こちらは附属「小学校」受験が主軸です。幼稚園受験に対応しているかは、事前に問い合わせて確認してください。
教室通いか、家庭学習か
幼児教室には、プロの目で弱点を見てもらえる安心感があります。一方で、通わせるとなると次のような負担も現実に出てきます。
幼児教室の負担
- ×平日夕方や休日の送迎が必要
- ×月謝がかさみやすい
- ×共働きだと通う時間の確保がむずかしい
家庭学習のよさ
- ✓送迎不要で自宅のペースで進む
- ✓生活習慣づくりと一体で取り組める
- ✓費用を抑えながら毎日続けられる
送迎の時間が取りにくいご家庭ほど、家庭で続けられる通信教育が現実的です。教室に通わせなくても、毎日の生活習慣づくりに教材をひとつ足すだけで準備は前に進みます。
自宅での受験準備の第一歩として、こどもちゃれんじも選択肢に入ります。年齢別に設計されたエデュトイが毎月届き、遊びながら生活習慣の土台づくりができる点は、他の通信教育にはない強みです。
≫ 公式サイトはこちら:こどもちゃれんじ
受験を見据えた思考力を育てたいなら、こぐま会×SAPIX監修の「モコモコゼミ」。かわいい動物キャラクターと一緒に取り組め、「モコモコちゃんねる」の動画学習にも対応しています。初月は合わなければ無料で、最低受講期間もなく、退会はメール一本で完了します。入学後の学びにつながる思考力の土台を、遊びながら育てられます。
≫ 公式サイトはこちら:「モコモコゼミ」![]()
通園できるエリアと送迎のルール
出願には居住地の条件があります。指定された小学校区内に住民票があり、保護者と同居していることが求められます。
対象は長崎市の中心部だけではありません。長与町(長与・高田・洗切・長与北・長与南)と時津町(時津・時津北・時津東・鳴鼓)の校区も対象に含まれます。伊良林・諏訪・西浦上・山里・稲佐など長崎市内の多くの校区が指定されているので、自宅が区域に入るかは募集要項の一覧で確認してください。募集区域外に住んでいても、入園までに区域内へ転居予定であれば、願書に記入したうえで出願できます。
もう一点、送迎のルールが独特です。自家用車での送迎や、園周辺での乗り入れ・停車はできません。送迎は徒歩か公共交通機関が前提です。入園後に居住や送迎の条件を満たせなくなると退園になるため、通園を無理なく続けられるかは、出願前によく見極めておきましょう。
共働きでも通える?預かり保育と園の一日
共働き家庭にとってうれしい動きがあります。令和8年(2026年)4月から、預かり保育がはじまりました。
ただし、実施している時間・対象学年・料金といった詳細は、現時点では公式サイトや募集要項に具体的な記載がありません。共働きで利用を前提にするなら、勤務時間に合うかを必ず園に直接確認してください。制度があること自体が最新の前進ですが、日常的にフル活用できるかは条件しだいです。
日中の保育は、学年ごとに降園時刻を分けて実施しています。年少より年長のほうが少し遅い時間まで過ごすなど、無理のない一日が組まれています。昼食は、お弁当を持参するとされることが多いようです。ただ公式サイトに明記がないため、お弁当か給食かは入園説明会の資料や園への問い合わせで確認しておくと確実です。お弁当の場合、自分の力で食べきる満足感を大切にする園の考え方が背景にあると紹介されています。
支度で慌ただしい朝も、「今日は全部食べられた」という子どもの誇らしい顔が、何よりのごほうびでした。
入園前に行きたい説明会と園庭開放
園の雰囲気は、実際に足を運ぶといちばんよく伝わります。長崎大附属では、園庭開放や「ほしの子ランド」といった子育て支援のイベントが用意されています。
これらは在園していない親子でも参加できる機会で、先生や園の空気に触れられます。年間を通して複数回開かれるので、気になる時期に合わせて予定を組んでみてください。出願を考えているなら、10月上旬の募集説明会には原則として保護者が出席します。都合がつかない場合は、説明会の動画視聴が案内されます。
参加できる主なイベント
園庭開放(年数回)/ほしの子ランド(子育て支援・複数回)/園の誕生日会や季節の行事。開催日は公式サイトの年間計画で告知されます。募集説明会(例年10月上旬)は受検希望者の保護者が原則出席します(欠席時は動画視聴の案内あり)。
まずは気軽に園庭開放から。実際の子どもの様子を見ると、我が家に合うかどうかの判断がぐっとしやすくなります。
よくある質問
Q 選考はいつですか。12月ではないのですか。
A 令和9年度入園は11月10日・11日のいずれか指定日に、発達検査と保護者同伴面接を行います。発表は11月26日発送です。12月という情報は、2次募集や古い年度と混同している可能性があります。
Q 通園できる区域はどこまでですか。長与や時津も入りますか。
A 長崎市の中心部に加え、長与町・時津町の指定校区も対象です。指定校区内に住民票があることが条件です。自宅が区域に入るかは募集要項の一覧で確認してください。
Q 車で送り迎えはできますか。
A できません。園内への乗り入れや周辺での停車も禁止されています。徒歩か公共交通機関での送迎が前提です。無理なく続けられる通園手段があるかを、出願前に確認しておきましょう。
Q 附属小学校へはそのまま上がれますか。
A 他の学校を併願しなければ、附属小学校へ原則として全員が進学できます。根拠は附属学校の入学者選考規程にあります。ただし附属小から附属中への進学には選考があるとされます。
Q 共働きでも大丈夫ですか。預かり保育はありますか。
A 令和8年4月から預かり保育がはじまりました。ただし時間・料金などの詳細は公式に示されていないため、勤務時間に合うかは園へ直接確認してください。研究・実習校のため、保育参観や園への協力の機会もあります。
Q 費用はいくらですか。無償化されますか。
A 入園料31,200円、保育料は年額73,200円で、どちらも無償化の対象です。月8,700円を上限に給付され、長崎大附属では上限内に収まります。別途、検定料1,600円と育友会費などの実費がかかります。
Q 倍率は高いですか。対策できる教室はありますか。
A 倍率は公式非公開です。令和8年度は2次募集も行われており、年度により定員に余裕がある場合もあります。附属幼稚園の受験に対応する地元教室では羅針塾が知られています。
過去問を書籍で入手する
附属幼稚園の過去問セットも市販されています。内容は一般的な出題パターンが中心となっており、価格はやや高めです。
[改訂版] 長崎大学教育学部附属幼稚園受験合格セット
長崎大学教育学部附属幼稚園を受験するなら是非、取り組んでおきたい過去類似問題が満載!長崎大学教育学部附属幼稚園の受験対策として体系的にまとめた合格問題集。
日々の生活習慣づくり+モコモコゼミのほうがコスパは良いと個人的には思います。
≫ 公式サイトはこちら:「モコモコゼミ」![]()
令和9年度の受験に向けて押さえる3つのこと
長崎大学教育学部附属幼稚園は、伝統ある環境と、附属小へつながる連絡進学が魅力の園です。ここまでの情報を、最後に3つに整理します。
- 1選考は11月、内容は発達検査と保護者同伴面接。母子分離と普段の親子の関わりが見られます。
- 2指定校区に住民票があること、自家用車送迎は不可。長与・時津も区域に含まれます。
- 3他校を併願しなければ附属小へ原則進学。費用は入園料も含めて実質無償です。
準備は、特別なことより毎日の積み重ねが効いてきます。送迎の負担をかけずに家庭で続けたいなら、通信教育を上手に取り入れるのがいちばん続きます。思い立った今日から、少しずつ始めてみてください。




